エイプ観察日記
2025/05/01
一歩踏み込んだ提案で、クライアントの喜びに貢献できる仕事を目指す【リリックおじさん】
多種多様なバイト経験を持つ元ラッパー!
ワイングラスに感銘を受け、マーケティングを経験し、
放送局や配信業を経て、上流工程に携わるべく猿人に転職。
できない仕事に悩みながらも
着実に実績を積み重ね
クライアントからの丸投げを受け止める。
プロフィール
・尾辻 a.k.a. リリックおじさん
・ディレクター
・2023年12月入社
ワイングラスに感銘を受けたことで、マーケティングに携わる
ラッパーとしての音楽活動と並行しながら、多種多様なアルバイトを経験。
中学生の頃からラッパーとして音楽活動を始めました。
夢を追いかけるために東京に出てきてから、ブライダルフォトグラファーやピザの配達、飲食店の店員、医療系の仕事、不動産屋の賃貸営業など多種多様なアルバイトをしてきました。
その中で一番長かったのは、某放送局での国際向け番組の仕事です。
ニュース放送が終わると、十数言語の担当記者たちが、放送内容をそれぞれの言語に原稿を書き直します。
僕はそれをWEBサイトにアップロードしたり、速報をネットやラジオに配信したりする業務を担当していました。
30歳の頃、結婚を機にラップで家族を養うのは難しいと考え、地に足をつけて働こうとしたら、初めて「やりたいことがない」状態に陥ったんです。
これからどうしようかと悩んでいた時、とあるインテリアのセレクトショップでワインの試飲があり、ワイングラスに大きな感銘を受けました。
葡萄の品種に合わせてグラスを変えることで、渋みが増したり果実味を感じたり、酸味が和らいだりと、ワインの味わいが変わることに驚いたんです。
この体験をきっかけに、音楽活動でやりたかった「人と人の心を結ぶステージ」という無形の表現を、次は形あるものを売ることで伝えたいと思いました。
この時、求人募集はありませんでしたが「トイレ掃除でも何でもやるので入社させてください!」と熱意を伝え、無事採用されました。
入社後はすぐにショップマネージャーを任され、日々店長業務に邁進する中、ワインについても猛勉強し、ソムリエと同等資格であるワインエキスパートを取得しました。
ワイングラスを販売するために、50人ほどのお客様の前で試飲即売会兼プレゼンテーションを行うこともあり、ラッパー時代のステージ経験が活かせました。
複数店舗のショップマネジメントを経験したのち、希望していたマーケティングにも携わるようになりました。
どうすれば売れるかを考える企画にやりがいを感じていましたが、ブランドは大きくても日本法人は小規模で、ごく少人数でマーケティングを担う状態でした。
コロナ禍に入り店舗への来客数が激減したことから、SNS集客を始め、全国の店長向けにオンラインセミナーを企画。撮影や事例動画などの制作にも取り組みました。
以前、ブライダルフォトグラファーで培ったカメラ知識や、音楽活動時代のPV制作、編集経験が役立ちました。
そんなこんなしている内に私生活では家族も増え、今度は収入を増やしたいと考えるようになりました。
上司に相談したものの給料アップは難しいと言われ、転職することにしました。
社長から「じゃあ、ちょっとラップしてみよう」と言われた面接
ただ配信するだけではなく、面白い企画を考えたい。
そうして転職した会社(前職)は、コロナ禍で成長した配信ビジネスを展開する会社で、私は配信部門に所属することになりました。
主な業務は、現場全体のディレクションや、ウェビナー開催時に事故なく配信が行えるよう機材構成を提案することで、背景合成などのテクニカルな業務に携わることもありました。
当時、大手企業は入社式をオンラインで実施せざるを得ない状況だったのですが、自分としてはただの入社式ではなく、より面白い企画にしたいと常々思っていました。
次第に、現場のディレクションに留まらず、コピーライティングやステージ演出といった、プロジェクト全体に関わる仕事に就きたいと考えるようになりました。
しかし配信部門の現場担当ではプロジェクト全体を企画することは難しく、最後のチャレンジと心に決めて転職活動を始め、猿人に出会いました。
猿人の面接でラッパーをやっていた話をすると、社長から「じゃあ、ちょっとラップしてみて」と言われ、その雰囲気から自分と合いそうな会社だなと思いました(笑)。
将来のキャリアを考えても、猿人なら裁量を持って上流工程に関わることができ、どこに行っても通用するスキルを身につけられると思い、入社を決めました。
猿人のホームページにある「丸投げ受け止めます」を体現できた
一年前にできなかったことが、できるようになったと実感。
猿人に入社した当初は、制作の一部を担う形で、どんどん案件を任されるようになりました。
いきなりビッグネームのクライアントと関わり、外資系日本法人のマーケティング責任者と対等に会話しなければならないため、プレッシャーがありました。
現在は、システム系のIT企業を複数社担当し、5、6案件を一人で管理して進めています。
ようやく小規模な案件なら一人で回せるようになり、できることが増えてきたので、大変さの中にも楽しさを感じられるようになってきました。
ミーティングでのヒアリング深度が一年前の自分よりも深くなっていることに気が付いた時は、成長を実感することができてうれしかったですね。
ワイングラス販売時代にマーケティングを経験していたものの、猿人に入社した当初はBtoBのマーケティング用語をほとんど理解しておらず、ホワイトペーパー? リードジェネレーション? という状態でした。
そんな状態で、クライアントに「任せてください」と言っても、信頼を得るのは難しいですよね。
そんな自分でも、BtoBのマーケティングを座学だけでなく、毎日の案件という「実戦」を通して学んでいくことで、今では根拠とともに一歩踏み込んだ提案ができるようになってきました。
クライアントから言われて一番嬉しかったのは、「この予算は猿人さんに使ってもらおうと思っているので、一番いい感じで自由にやってください」という言葉です。
信頼して任せていただけたことで、猿人のホームページにある「丸投げ受け止めます」をそのまま体現できたと感じました。
その担当者が他社へ転職したとしても、僕の名前を覚えてくれて再び依頼してくれるような関係を築き、その人の評価や喜びに貢献できる仕事を目指していきたいです。
自分らしさを出せるように、知識と経験を身につけたい
音響系のイベントを担当した時、すごく仕事が楽しかった。
とはいえ、このように思えるようになるまでの道のりは、長くツライものでした(笑)。
入社後、実際に業務に就いてみると、わからないことだらけで言葉もスイスイ出てこないし、「大丈夫なのか?」と心配されたり、ミーティングで「声のトーンあげたほうがいいよ」とアドバイスされたり、実は結構苦しんでいました。
地雷を踏まないようにと慎重になってしまって、自分の良さを活かしきれていないと感じることも。
知識や経験不足のため、相手の土俵に上がって戦わざるを得ない状況が続き、特に数字の話になると適当なことは言えないので、自信を持って確かなことを話せるようにならねばと必死でした。
そんな中でも、音響系のイベントを担当した時はすごく仕事が楽しかったです。
世界のトップアーティストがアリーナ規模のライブで使用するような機材メーカーの代理店と仕事をする機会がありました。
直接クライアントの社長とお話することができ、自分と同じ「匂い」がする人と関われたことに楽しさを感じました。
そんな風に、大変な中にも楽しさを感じることが増えていき、ようやく最近になって点と点がつながり始めたように実感しています。
今が一番辛いという状況がずっと続いていますが、イベントは終わりが見える仕事です。
歯を食いしばってやり遂げるたびに、自分の力がついてくると信じて頑張っています。
キャパを広げ、ラップを活かして信頼も獲得したい。
自分のキャパシティが小さいことは、課題の一つですね。
サイズで例えるなら、入社当時はテキーラコップのようにすぐ溢れてしまう状態でした(笑)。
今ではダブルショットぐらいになりましたが、ゆくゆくはリカータンクぐらいの大容量が目標です。
フランスの一つの畑から採れるワインをタンクで輸送し、いろんな協力会社にもボトル分けできるぐらいの存在になりたいと思っています。
理想としては、ミーティングで「キックオフのためにラップ考えてきました」と披露し、一瞬「なんだこいつ」と思われても、その後の資料がしっかりしているので信用を得られる…そんな展開です。
毎回の定例が楽しくなるように、毎週4小節だけ考えてきて、アイスブレイクでラップやったら面白そうですね。
働き方の面では、ENJIN 47 Projectに魅力を感じています。
働く場所に縛られず、案件ごとに協力会社をアサインするスタイルや、猿人のチームワークはすごく勉強になります。
今後、親の介護も心配になってくるので、将来的に地元の宮崎に帰ることになっても、仕事が続けられたらいいなと思っています。